ビリおじとは、再受験によって45歳で私立医学部に入学した人物のことである。
詳しく知りたい人は「ビリおじ」で検索すればいい。本人のYouTubeやTwitterなどがすぐに見つかるだろうし、ビリおじは大学受験の世界では有名人なので、ビリおじに関する情報はいくつも見つかるはずだ。
ビリおじの合格は再受験を志す者や、その他いろいろな人に希望を与えた。何かを始めるのに年齢は関係ない。世間の常識にとらわれず、自分のやりたいことをやればいい。そう思って走り始めた人は多いはずだ。
しかし、冷静になって欲しい。特に、医学部再受験を目指そうとする人は、ビリおじの事例を冷静に分析してみるべきだ。ビリおじの合格には5つの要因があった。
- 経済的余裕
ビリおじがYouTube等で発信する情報を見る限り、ビリおじには経済的に余裕があった。具体的にどれぐらいの資産を持っているかはもちろんわからないが、YouTube等でビリおじが発信している情報から判断するに平均は大きく超えているはずだ。
だから、ビリおじは参考書や模試の費用、受験当日の宿泊費や交通費、そういったものに関して全く心配する必要がなかったのだ。これは受験生活を送るに際して、とても有利だ。勉強に集中できるからだ。
- 華麗な経歴
ビリおじの経歴は、東海中学→東海高校→2浪で京大農学部である。だから、45歳で中堅私立大医学部に合格しても学力的には全く不思議ではない。単に、全盛期の学力に少し足りないぐらいまで取り戻しただけなのだ。
再受験により若い頃の学力を超えたわけではないのだ。
- 特殊な職業
ビリおじの職業は、医学部専門予備校の化学と生物の講師だった。つまり、仕事が受験勉強になり、受験勉強が仕事に役立つという特殊な状況だったのだ。そのおかげなのか、ビリおじは国立二次試験の化学と生物では2科目とも9割以上取れていた。
ビリおじは、再受験のために予備校講師という職業を選んだそうだ。実は、何年も前からの準備があったのだ。
- 理解のある家族の存在
ビリおじには、再受験に理解がある妻と子供がいる。家族が応援してくれているから精神的に安定して受験勉強を続けることができるし、集中力や記憶力も高まるのだ。
もちろん、ビリおじ自身が家族との良好な関係を築くための努力をしているから、理解してくれたのだろう。再受験しながらも、家族旅行をしたり、食事に行ったり、子供と遊んだりというようなことをしていた。
- よく食べ、よく飲む
ビリおじは、酒をとてもたくさん飲む。そして、たくさん食べる。体つきもがっしりしていて、きっと強靭な内臓の持ち主なのだ。しかも、深酒していたのに翌朝の6時から勉強配信をしたりする。もし、普通の40代がビリおじと同じような生活をしたなら、すぐに体調不良でリタイアしてしまうだろう。
10代の若者のように無理が効くのは受験勉強をするにあたっても有利だ。
ビリおじについて語るとき、「45歳で医学部に合格」と銘打つ場合が多い。しかし、実際には、単なる45才ではないのだ。前述した5つの要因が全て揃っていたのだ。ある意味、ビリギャルと似たような構図ともいえる。
ビリおじはたくさんの人に希望を与えた。だからと言って、誰でも再受験で成功できるのかと言えばそうではない。客観的事実を検討すると、明らかに可能性の低い人もいる。
成功例を参考にする場合は、冷静な分析が必要なのだ。