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AIが書く小説の弱点

いつの間にか、AIを使って小説を書ける時代になったらしい。あらすじや設定を提示すると、あっという間に書いてくれる。ただし、そのまま作品として発表できるレベルかというとそうではない。

自分が使っているのはChatGPTの無料版なので、有料版や小説専門AIだともっと質がいいのかもしれないが、いくつか目につく短所がある(2024年7月時点)。

AIの弱点をとりあえず3つだけ指摘しておこう。

1つ目は、助詞の誤りだ。いわゆる「てにをは」の使い方だ。それほど多くはないが、こういう誤りは致命傷なので必ず直す必要がある。

2つ目に、AIは主語を書きすぎるきらいがあるということだ。小説を書く場合は主語を省略するのがよいとされている。主語を書くなということではなく、文脈から主語を書かなくても明らかな場合は書かない方がよい、ということである。しかし、AIは主語を書きすぎる。しかも、「彼、彼女」というような受験英語の下手な和訳を連想させる単語を多用するので、小説としての質が低くなっている。だから、人間が主語を調整する必要があるのだ。

3つ目は、文章に特徴がなさすぎるということだ。AIの書く文章は小説に限らず、滑らかで読みやすいことが多い。しかし、これは文体や言葉選びに癖がないということでもある。事務的な文章ならそれでもいいのだが、小説は文章そのものを味わうという楽しみ方もある。だから、人間が手を入れて文体やリズムに癖をつけたり、インパクトのある言葉選びをした方がいいのだ。

AIを使えば誰でも小説を書ける時代になったとよく言われるが、質の高い小説を書くには、まだまだ人間が手を入れなければならない。そのためには、たくさん小説を読んだという経験が物を言うし、小説の書き方の基本知識も不可欠だ。

小説を書きたいとか小説家になりたいとか言っているが、ろくに小説を読んでいない人は多い。まずは小説を読みまくれ。AIは進化しているが、少なくとも今はまだ、そういう時代だ。