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シャンソン化粧品シャンソンVマジック選手大量退団事件の一考察

女子バスケットボールWリーグの名門チームであるシャンソン化粧品シャンソンVマジックで、シーズン中に7人の選手と李ヘッドコーチ(バスケでは監督をヘッドコーチと呼ぶ)が退団するという事件が起きた。

しかも、7人の選手とヘッドコーチが退団したことをチームは隠していた。スポーツ紙で報じられ、Wリーグから経緯を公表するようにと要請されてやっと退団の事実を公表したので、いろいろと憶測を呼んでいる。

チームの公式発表では「方向性の違い」により選手たちが退団し、その混乱の責任をとってヘッドコーチが辞任したということになっている。

しかし、これをそのまま信じられるわけがない。

チーム内での方向性の違いや戦術的な意見の違いなど、選手たちは学生のころから何度も経験したり見聞きしているはずだし、そういったものはシャンソンに限らずどのチームにもあるはずだ。この程度のことで、実質的にプロとして活動している選手たちが7人もシーズン中に退団するとは考えにくい。

ちなみに、Wリーグにはシーズン中の移籍という制度がないので、退団すると今シーズンはプレーする機会を完全に失うということになる。退団するというのは、それほど大きなことなのだ。

退団した7選手というのは、藤岡選手、大沼選手、北村選手、宮坂選手、千葉選手、栗林選手、野口選手である。

チーム関係者に取材したというマスコミの報道によると、ベテランと若手の間に溝があったとか、移籍加入組がチームの方針に合わなかったとか、そういうことがあったらしいが、これもそのまま信じられるわけがない。なぜなら、野口選手は他の選手と違い、ベテランでも移籍組でもなく、高卒4年目の若手の生え抜きだからだ。

野口選手はチーム内ではエース級の存在で、日本代表候補にも選ばれた前途有望な選手である。来年のパリ五輪の代表になっていてもおかしくないし、その次のロス五輪ではスタメンに名を連ねているであろう選手である。才能と身長に恵まれ、代表候補合宿でさらに力強さと自信をつけて、本当に頼れる選手になった。

日本代表を託せる選手だから、もし野口選手が他の選手たちと一緒に退団すると言い出したら、李ヘッドコーチや藤岡選手は全力で引き留めるはずだ。相談された誰もが何としも翻意させようとするだろう。野口選手がシーズン中に退団するというのは、本人だけでなく日本の女子バスケットボール界の大きな損失なのだ。

にもかかわらず、野口選手は退団してしまった。つまり、方向性の違いのような些細ことではなく、退団やむなしと周りが考えてしまうほど重大な何かが起きたのではないかと、どうしても推測してしまうのだ。

真相はわからない。しかし、これだけは確かだ。「方向性の違い」だけで7人もの選手がシーズン中に退団するというのは考えられない。何か別の原因があったはずだ。