いつの間にか、小学校や中学校でプログラミング教育なるものが始まっていた。プログラミングを学ぶというと、プログラマーやSEという職業に就くためと考えてしまう人も多いようだ。しかし、IT系の仕事に就きたい人だけでなく、誰もがプログラミングを学ぶべきだ。だから、義務教育課程でプログラミングを学ぶという考えは支持できる。
なぜ、誰もがプログラミングを学ぶべきなのか。それは、どんな人生を歩むにしても役立つ有用な能力が身に付くからである。
- 問題解決能力
プログラミングを学ぶ上で最大のメリットといえるのが、問題解決能力の向上である。プログラミングする場合、まずは解決したい問題を抽象化したり体系化したりする。こういう習慣が身につけば、問題を異なった側面からみることができるようになるのである。 - モノの仕組みを理解できる
現代社会ではあらゆるモノにコンピュータが使われている。プログラミングを学ぶと、そういったモノの裏で何が行われているか理解できるようになるのである。
例えば、店のレジを考えてみる。一人の客が同じ商品を複数買う場合、レジでバーコードを読み込むと、店員に注意を促す目的で「同一商品です」という音声や警告音が鳴ったりする。これは、バーコードを読み込むたびに、既に読み込んだ商品のリストを自動で検索しているのだろう、ということがわかる。 - 論理的思考力
プログラミングでは、わかりやすいコードを書くことが必要だ。わかりやすいコードというのは、論理的で無駄のないコードだ。こういうことを常に意識することになるので、プログラミングをすると論理的思考力が身に付くのだ。 - 忍耐力
プログラミングにバグやエラーは付き物だ。どんな熟練プログラマーでもバグやエラーは入ってしまう。そのときに、バグやエラーを取り除くデバッグという作業をしなければならないが、これが非常に忍耐力のいるものなのだ。ネットで検索したり、誰かに質問して解決策がズバリと見つかることは稀なので自力で何とかしなければならない。ひとつのバグで数時間費やしてしまうこともよくあるし、ちょっとしたプログラムのたった一つのエラーを直すのに何日もかかることだってある。こういうことをしていると、忍耐力がつくのだ。
上記4つの能力が欠けている大人は社会にあふれている。だから、大人もプログラミングを学んだ方がいいだろう。